しゃくし菜

全農埼玉県本部園芸部園芸販売課 青果ステーション 小島 勤

食品豆知識(しゃくし菜)

しゃくし菜は秩父の郷土野菜であり、標高が高い秩父地方では、白菜のかわりに栽培されております。標高の高いところでは9月上旬頃、低いところでは9月中旬頃に種を播き、晩秋の霜にあて、しんなり味が乗ってから収穫して、漬け込んだりします。寒さが厳しい秩父地方に適した野菜で、秩父の家庭では昔から保存食として、家族が一冬中食べられるだけのしゃくし菜を大きな樽に漬け込んでいました。

しゃくし菜は地域・作季限定の野菜です。

しゃくし菜の葉は「しゃもじ」に似ていることが「しゃくし菜」の由来になったとも言われております。学術的には「雪白体菜(せっぱくたいさい)」と言われ、白菜にはないシャキシャキとした食感で、漬物にすると歯切れもよい野菜です。

秩父地方では、漬物の他にも油でさっと炒めて食べたり、まんじゅうやお焼きのあんにして食べています。

自然豊かな秩父地方で育ったしゃくし菜は晩秋の霜にあたる事により、より葉も肉厚になり、10月頃から出始まります。是非、季節の伝統野菜をご賞味下さい。

給食会報156号(平成24年1月)から

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