くわい
県農林部経済流通課
来年サッカーのワールドカップ会場となる埼玉スタジアム2002が完成しましたね。日本は、初戦をここで戦うそうです。
ところで、このスタジアム付近、綾瀬川流域の湿田地帯は、実は古くからの「くわい」の産地なんですよ。
「くわい」は、葉の形が田畑を耕す鍬に似ていることから、鍬に似た芋=「鍬芋」が転じたとも言われています。食用としているのは日本と中国だけだそうですが、中国では「慈姑」と書くそうです。日本へは、飛鳥・奈良時代には伝わっていたようです。
オモダカ科の多年草の水生植物で、ジャガイモと同じように地下に出来る「塊茎」と言われる部分を食用とします。この塊茎には、翌春に伸びる芽が付いているので「芽が出る」に掛けて、縁起物の野菜として正月料理など祝い事の料理に用いられます。
「くわい」には青くわいと白くわいがあり、埼玉の「くわい」は色の良い青くわいで、生産量は全国1位を誇ります。多くの人々に芽が出るようにと祈りを込めて全国に出荷されています。
暮らしのとなりが産地です。
最近、地産地消という言葉を新聞雑誌などでも多く見かけるようになりました。食べ物はその土地の水と土、天候で育ったものを旬に食べるのがやっぱりおいしいですね。
埼玉県は約700万人の方が暮らす大消費地ですが、同時に全国7位の生産額を誇る野菜をはじめとして、農業生産がとても盛んです。
温暖な気候と晴天日が全国1位と太陽の恵みをたっぷりと受けて育ったおいしい農産物が、食卓のすぐ近くにある。そんな、埼玉の味覚を存分に味わってもらいたく、農業団体や県では、県産農産物のPRを精力的に行っています。
給食会報125号(平成13年10月)から