学校給食用パンの減塩の取組みについて

(公財)埼玉県学校給食会

 日本人の食事摂取基準(2015及び2020年版)において、食塩摂取量が見直されたことに伴い、学校給食においても学校給食摂取基準(平成30年・令和3年)の一部改正があり、ナトリウム(食塩相当量)の摂取基準値が減少し、普段の食生活だけではなく、学校給食においても減塩に対する関心が高まりました。このような状況を受け、本会でも児童・生徒さんの将来の健康維持のため学校給食用パンの減塩に向け試作を重ね、平成30年度から小麦粉100gに対し1.8g使用していた食塩を3 年間で段階的に減らし、令和2 年度から1.5gに減塩したパンを製造しお届けしています。


 0.3gの減塩と聞いてわずかな量だと思うかもしれませんが、パンを製造する上で食塩はとても重要な役割をしています。食塩は小麦粉の発酵を適切に調節し、生地を引き締めることで弾力のあるパンに焼き上がり、食味では小麦本来の風味や旨味を引き出してくれる作用もあります。この大事な食塩を減らしたことで、従来のパンより製造における作業効率の低下、喫食時のパンの品質低下を避けなければならないため、一度に0.3g減らすのではなく1 年間で0.1gずつ下げることで、製造工程(発酵時間やミキシングの時間)に工夫を加え製造に係る負担を最小限にし、また、段階的に下げることで味覚が敏感な児童・生徒さんでも減塩したパンを違和感なく美味しく食べてもらえることを意識しました。。


学校給食用パンの減塩の取組みについて

 この度の学校給食用パンの減塩については、工場関係者だけでなく製粉会社並びに機械・器具メーカーの技術者の方に協力いただき、色々な目線で試作や検証を重ね変更前と変わらず高品質なパンをお届けすることができました。また、学校様からは以前より美味しくなったとのうれしいお言葉もいただいております。


 これからも児童・生徒さんの安全・安心を第一に、さらに美味しさも継続して追求し今後も品質の良いパンをお届けできるよう、給食会・パン工場共々努力していきたいと考えています。


給食会報191号(令和6年1月)から

ページの先頭へ